理事長挨拶

 技術研究組合FC-Cubic(エフシーキュービック)は、燃料電池関連企業と燃料電池基盤技術の研究を進めている大学、及び産業技術総合研究所が参画し、2010年4月2日に設立、産業技術総合研究所臨海副都心センターを集中拠点として活動を進めてきました。また、昨年度からは(株)本田技術研究所と日野自動車(株)の加入により、名実ともにオールジャパンの研究体制が整いました。

 本研究組合は、産業界の燃料電池及びそのシステムの開発を支える共通基盤的な研究を狙いとしています。発電状態の燃料電池本体内部で起きる様々な現象を深く計測・解析し、革新的な技術開発・材料開発に繋げることを目指し、研究成果の産業界への展開をはじめ、大学などの研究機関との橋渡し役、さらに日本全体の燃料電池研究の裾野の拡大や人材育成などにも貢献してまいりました。

 実用化においては、2009年から販売が開始された家庭用燃料電池エネファームは、着実に販売台数を伸ばしてきています。また、燃料電池自動車(FCV)の市販は2014年12月からのトヨタ自動車に続いて、2016年3月には本田技研工業からも開始され、市場で大きな期待を持って迎えられています。さらに、経済産業省所管の水素・燃料電池戦略ロードマップも本年3月に、エネファームについては2020年140万台、2030年530万台、FCVについては2020年4万台、2025年20万台2030年に80万台との台数目標を明確にして改訂されました。

 エネファームやFCVの本格的普及、期待される新たな分野への燃料電池の用途拡大のためには、技術革新による画期的な低コスト化と大幅な耐久性・信頼性向上の高次元での両立がまだまだ必要です。その為に、従来進めてきました基盤研究をさらに深く追求し、新たな要素材料やコンセプトの創出につなげる事が不可欠と考えています。

 本研究組合は、昨年度に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の新たな5年計画の固体高分子形燃料電池利用高度化技術開発事業を受託し、燃料電池の普及拡大という新たなステップに向けて今まで以上に産業界に貢献すべく頑張ってまいります。

 日本全体の燃料電池研究開発促進の核として、また、世界各国との研究開発交流のハブ機能を果たしながら、世界規模での燃料電池システムの普及によって、エネルギーの多様化、低炭素社会の構築に資する水素社会の実現、同時に、我が国産業の国際競争力向上に貢献すべく、今後とも研究開発に精進したいと考えています。
関係各位の一層のご指導、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

2016年6月