理事長挨拶

 技術研究組合FC-Cubicは、燃料電池システム企業5社と燃料電池基盤技術の研究を進めている6大学及び産業技術総合研究所が参画し、2010年4月2日に設立、産業技術総合研究所臨海副都心センターを集中拠点として活動しております。2015年からは(株)本田技術研究所と日野自動車(株)が、また、本年からはスズキ(株)と三菱自動車工業(株)の加入により、組合員も16団体までに拡大してきております。

 本研究組合は、発足当初から産業界の燃料電池及びそのシステムの開発を支える共通基盤的な研究を狙いとして活動を続けております。発電状態の燃料電池本体内部で起きる様々な現象を深く計測・解析し革新的な技術開発・材料開発に繋げることを目指し、研究成果の産業界への展開をはじめ、大学などの研究機関との橋渡し役、さらに日本全体の燃料電池研究の裾野の拡大や人材育成などに努力してまいりました。

 2009年から販売が開始された家庭用燃料電池エネファームは着実に台数を増加させ、2014年から市販が開始された燃料電池自動車(FCV)も徐々にではありますが、普及に向けて歩みを進めております。しかしながら、本格普及にはまだまだ程遠い状況です。2017年末に日本政府から発表された水素基本戦略でも、日本のエネルギー政策への貢献や地球温暖化問題の解決、さらには新しい産業の創出に向けて、水素・燃料電池に対してあらためて大きな期待が寄せられております。

 エネファームやFCVの本格的普及、また、期待される新たな分野への燃料電池の拡大のためには、技術革新による画期的な燃料電池システムの低コスト化と大幅な耐久性・信頼性向上等の高次元での両立が、まだまだ必要です。従来からご支援をいただいている新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)委託の燃料電池基盤研究によって、燃料電池内部の諸現象の解明や解析技術、更に性能や劣化の支配要因の特定はかなり進んだと思っております。今後はこれらの成果を活用して、新たな要素材料やコンセプトの創出につなげ、今まで以上に実際の企業の製品開発の場に貢献できるように努力してまいります。

 日本全体の燃料電池研究開発促進の核として、また、世界各国との研究開発交流のハブとしての機能を果たしながら、世界規模での燃料電池システムの普及を通して、水素社会の実現、エネルギーの多様化、低炭素社会の構築、同時に、我が国産業の国際競争力向上に貢献すべく、今後とも研究開発に精進してまいります。

 関係各位の一層のご指導、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

2018年6月